第5章 それが当たり前で
登下校も一緒、僕と由佳は席も隣、移動教室も一緒に行動するし、お昼休みも一緒。
卵焼きを食べたいだの騒ぐ由佳をあしらいながら過ごし、
放課後は一緒にバレー部に部活動をしにいく。
同じ中学校じゃない生徒は、僕、山口、由佳の三人は同じ中学校で昔から仲が良いと思われているみたいだった。
それは、由佳が仲良くなった女子達も一緒だったようで、
僕たちに挨拶くらいはするけれど、
由佳が僕や山口と話しをしている時は自分たちからは話しかけずに違う話をしているようだった。
別に由佳は女子の友達がいないわけじゃない。
寧ろ好かれすぎていると言っても過言じゃない。
本人がいない時は、周りの女子達は、
めちゃくちゃキレイでスタイルも良いのに鼻にかけないし、性格が天然で犬みたいで可愛い~!
やら
遊び行きたいのに部活があるからなかなか難しいよねぇ~!
なんて騒がれている。
僕から見ても、顔立ちは整っているし、清水先輩とは違うタイプの顔立ちだけれど、美人だ。
間抜けな所もとても目立つけど、言い方を良くすれば愛嬌もある。
標準の女子よりかは身長は高いが、その分手足がスラッと細く長い。
モデル体型に出るところは出ているといった感じだ。
周りからは羨ましがられるのも当然だろうとは思う。
本人は全くと言っていいほど気付いてはいないけれど。
その日は周りの女子に、由佳の髪の毛がサラサラだと言われながら巻かれて結ばれたり、前髪をいじられたり。
そんなことよくさせるな、なんて横目で見ていたら、
トコトコと寄ってきてそれを自慢げに似合う?って聞いてきて。
山口は似合ってる!なんて笑顔で伝えているけど…。
似合ってるのは認める。いつもより大人っぽい雰囲気で。
だけど学校でわざわざ見せる姿ではないデショ…。
何も言わない僕をじーっとみながら、あからさまにしょぼくれた顔している由佳。
「別に悪いとは言ってないデショ…。ただ、学校ではやめれば。」
仕方ないから聞こえるか聞こえないか位に発した。
その後の化粧は流石に断っていたみたいだけど。
あとで僕に言ってきた由佳の言葉は、
みんなあんな毛虫みたいな付けまつ毛をまつ毛に乗せてるのかな…?
と言う僕には意味不明な言葉だった。