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恩讐の花嫁 【Fate/GO 巌窟王 夢小説】

第8章 裁判



「さて……、人類最後のマスター、だったか……。待たせたな。今こそ『裁判』を始めようではないか!!」
 ジャンヌ・ダルク・オルタが、旗を掲げ、声高に叫ぶ。それと同時に、黒い靄(もや)のようなものが湧き、人影が姿を現す。それは、ここに来てから戦った、あの『人間のような存在』達だった。
「……ッ……!?」
 『人間のような存在』達は、老若男女を問わず一様に目を血走らせており、何やらブツブツと声を出している。さらに恐ろしいことに、農具や包丁、棒のようなものなど、何かしら武器になるような物を持っていた。中には、ちらほらと鎧姿の者も混じっていた。黒い靄に包まれているため定かではないが、国籍もバラバラのようだった。
 どういう状況なのか、全く呑み込めないが、とにかくこの場には、狂気が溢れている。

「あああああああああああ!!!!」
「ぎああああああああああ!!!!」
 怒号にも、絶叫にも聞こえるような声が、その人間達から口々に発せられる。
 ジャンヌ・ダルク・オルタは、しばらくの間、その様子を満足そうに眺めてから、やっと口を開いた。
「彼らは、傍聴席の人間だとでも思いたまえ。」
 そう言って、敵はうっすらと笑みを浮かべた。
「救世主気取りの小娘。人理修復? 笑わせるな? お前はその為に、何を、どれだけ見捨ててきた?」
「……?」
 その声に耳を傾けてはならない―――――そう直感したが、それでも、私はこの場における異様な圧力に負け始めていた。
「確かに、お前は幾らかの民を救いはしたのだろう。だが! しかしだ!!」
 突如、敵は激昂した。
「お前は! 時として!! お前の目の前にいた、救えたはずの人間さえ!! 敢えて見捨て、魔物の餌にした!! 兵士を殺させた!!」
「……!」
 これは……。私が、数々の特異点を巡って、人理修復に駆け回っていた時の……!?
「それだけではない! お前が来た場所は、いつだって戦いが激しくなった!!! 小娘! お前は死神だ!!!」
 ジャンヌ・ダルク・オルタの姿をした敵が、怒り狂いながら、叫ぶ。
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