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恩讐の花嫁 【Fate/GO 巌窟王 夢小説】

第8章 裁判


***


 『変動座標点0号 大空洞』へと向かう。昨日は、戦闘に必死過ぎて、何も分からなかったけれど、今は分かる。この先に、明らかにサーヴァントの気配がある。よく分からないが、この事態の元凶か、鍵を握る存在ではあろうと思う。多分、強力な存在だろう。やはり、道中に敵が全く出現しないのが気になるが、今はそれよりも、サーヴァント反応の方が気になる。

「―――――!」
 見えた! ここは以前、セイバー/アルトリア・オルタと戦った場所だ。そこに、サーヴァントが1騎、立っている。でも、あれはセイバー/アルトリア・オルタじゃない。
「ルーラー/ジャンヌ・ダルク・オルタ……!?」
 黒い甲冑、くすんだ色の金髪、黒い旗。間違いない。アヴェンジャーと私の目の前に表れたのは、特異点となったフランスで出会った、ルーラーのジャンヌ・ダルク・オルタだ……! でも、どうして……!!?
「ンン……!? アレは、“あの旗持ち”か……!?」
 アヴェンジャーも、その光景の異様さに、驚いていた。それもそのはずだ。ルーラー/ジャンヌ・ダルク・オルタは、正しくは英霊ではない。キャスターのジル・ド・レェが、聖杯によって造った、『あり得ない存在』だ。それに、その後彼女は確かに『英霊の座』に記録されることになったが、そのクラスは『ルーラー』ではなく、『アヴェンジャー』だ。つまり、『ルーラー/ジャンヌ・ダルク・オルタ』が召喚されるということ自体、不可能なのだ。彼女のクラスを確認する。やはり、目の前にいるジャンヌ・ダルク・オルタは、『アヴェンジャー』の霊基パターンではなく、『ルーラー』の霊基パターンだ。これは一体、どういう状況なのだろう……!?

「クハハハハハ! 随分と邪悪な『調停者』もいたものだな!」
 この異常事態において、真っ先に口を開いたのは、隣にいるアヴェンジャーだった。
「え、ちょ……。」
 アヴェンジャーは私の前に出ながら、あからさまに相手を挑発し始めた。まだ事態も充分に把握できていないのに、何故相手を煽るのかと、正直私の肝は冷えた。でも、アヴェンジャーのことだ。何かしらの考えがあるのだろう。
「どうせ、“私怨”に歪んだ決裁でもするのだろう。それでいて『調停者』を気取るか!! 笑えんな!!」
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