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恩讐の花嫁 【Fate/GO 巌窟王 夢小説】

第8章 裁判


「ふむ……。」
 アヴェンジャーは、実際に計測器をサークル跡地へと設置して、確認し始めた。
「成る程な。流石は稀代の天才だ。この計測器は、大気中の魔力を測定するだけではなく、地脈に流れる魔力の量・質をともに測定するらしい。地脈に接続しながら、魔力総量を測定する機材か。これならば、少し手を加えれば、『希望の種』くらいは撒けるかもしれんな。」
「手を、加える……?」
 魔術的な道具に、手を加える……? それは、改造するとかいうことだろうか? そんなことはできるのだろうか? 私は、さらに分からなくなってきた。
「なに、少し魔術師の真似事をするだけだ。お前は見ているだけでいい。」
「え? アヴェンジャーって、『復讐者』のクラスだよね? 魔術とか、できるの?」
「“真似事”だと言っただろう。 俺は確かに『アヴェンジャー』だが、それ以前に『エクストラクラス』だ。その特殊性と本来のスキルにより、『道具作成』も可能となる。せいぜいBランク相当だがな。」
 Bランク相当の『道具作成』スキル……? アヴェンジャーは、事も無げに言ってのけているが、それは下手をすれば、正規の『キャスター』よりも、高いランクの能力ではないだろうか……。
「知らなかった……。『エクストラクラス』って、本当にすごいんだね……。」
 アヴェンジャーとは、あの『監獄塔』以来の付き合いになっているが、アヴェンジャーが魔術的な道具を作っている姿を見たことがないということもあり、私は全く知らなかった。
「―――――さて、設置も完了した。計測器には少しばかり改造を施した上で、俺の魔力を込めておいた。」
「……でも、通信は……。繋がらないね。」
 端末を起動させて試してみるが、カルデアとの通信は、全く繋がらないままだ。
「当然だ。これは、『種を撒く』だけの行為だ。すぐに花が咲くことは無い。だが―――――。」

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