第19章 第3部 Ⅴ
「ク、クハハハハハハハ!」
アヴェンジャーの手からは、恩讐の炎が漏れ出し、盾となっている紙片を焼いている。瞬く間に、アヴェンジャーの炎は紙片を燃やし尽くした。ノストラダムスは、紙が完全に燃やされるより前に、次の盾を展開する。しかし、1撃目よりも早いペースで、その盾は灰燼と化した。
「終わりだ。」
アヴェンジャーの姿に、一切の迷いは無かった。恩讐の炎が、ノストラダムスの退路を塞ぐ。こうなってしまっては、アヴェンジャー/巌窟王を止めることなど出来はしない。
「ぐ……、ぐぬ……! まだだ! まだ終わらぬ! いるのだろう! キャスター!!」
「ははははは! 傍観を決め込んでいた吾輩の存在に気付くとは、流石は吾が召喚主! 良いでしょう!」
突然の声。嫌な予感。この声……、間違いない。いや、間違える筈なんて無い。彼とは、ほんの数時間前まで、共に行動していたのだから……!