第7章 紡がれる日々
爽やかな皐月の風が空を泳ぎ
政宗の鼻先で白雪の髪が
柔らかく舞う
優しく包むように触れ
撫でながら 首筋に鼻を埋める
「…政宗」
「ん…?」
「大丈夫…?疲れたよね」
「この程度 何でもない」
後から 顔を擦り付けて来た政宗に
心配そうに 声を掛ける白雪
湯治場で ゆっくりと身体を休め
白雪の体力が戻るのを待ち
また奥州へと道を進め二日後
奥州青葉山 青葉城へと帰還した
政宗帰還と白雪歓迎の宴や
大名との謁見 書簡の処理や
様々な政務をこなし
日々多忙な政宗
それでも時間を見つけては
こうして白雪の元を訪れ
僅かな逢瀬を楽しんでいる
「ただ……」
「ただ?」
「お前が足りない」
言うや否や首筋に甘く歯を立てる
「あっ…」
畳に組み敷き
両手と唇を繋ぐ
絡めた指をそっと開いて
手のひらを合わせる
「政宗の手…おっきいね」
「そうか?お前の手は小さいな…」
広げられた白雪の手は 政宗の手に
すっぽりと収まり 第一関節まで届かない
慈しむように その手に頬を寄せ微笑む
「大きいのは手だけじゃないぞ
お前を想う気持ちは 誰にも負けない」
「何よりも大きく包んでやるから
お前はそうして 笑っていればいい」
「政宗…」
潤んだ瞳でうっとりと
政宗の手に口付ける
「私だって誰にも負けないから
政宗のこと……」
「知ってる」
その先を言われ 余裕のない顔を
見られるのが嫌で 言葉を遮る
視線が絡み合い
どちらともなく顔が近づく
掠れた声で愛してると囁かれ
白雪の躯が熱を増す
「ふっ……それだけじゃないな 大きいの」
「え?」
ぐりっと白雪の腹に
熱く硬い物が押し付けられる
ぶわっと一気に顔を染め
俯く白雪に 意地悪く笑う
「お前 いつも言うだろ おっきいよぉとか
硬いのぉ とかあの最中に」
「!?」
眼を見開いて 口をぱくぱくしたかと思うと
涙をためて政宗を睨む
「知らないっ…そんなの…」
「へぇ…俺の空耳だったか?」
「まっ…政宗の意地悪っ」
「なら 嫌いになるか?」
「っ…」
息が触れるほど間近で見つめられ
抵抗出来ずにいる白雪の耳を食む
「っ…あっ…」
政宗に愛され 手懐けられた躯は
激しく愛されると
激しく躯をくねらせ 快楽に溺れ
優しく撫でる様に 愛されれば
うねる様に快感に蕩ける