第2章 おかえり
白雪が自分を見下ろして
はっとした顔で呟いた
「そっか…服のままだったんだ」
白雪の目に映る
お気に入りのサーモンピンク
シフォン素材の柔かな物で
襟元からウエストまで
ボタンが並んでいる
腰から下は
緩やかに広がるワンピースで
色白の白雪によく似合っていた
「なんだ?これ?…どうやる?」
「あっ…えぇっと…」
「やって見せろよ」
「こう…ここを潜らせて…」
一番上のボタンが開くと
鎖骨が覗いた
ぱっと頬を赤らめ
恥ずかしそうに
自ら肌を晒す白雪に
悪戯心が騒ぎだす
「…見えなかった」
「えっ?」
「もう一度」
「っ…もっ……
……一回だけ…だよ」
二つ目のボタンを開くと
柔かな膨らみが覗く
「…どう?…分かった?」
「あぁ…恐ろしく
まどろこっしいって事が分かった」
そう言うと
政宗は短刀を手に
不敵な笑みを浮かべた
「えっ?なにすっ…」
白雪が言い終える前に
小さなボタンが弾け飛んだ
呆気に取られる白雪
ボタンが全て無くなると
薄いスカートの布を
鈍く光る刃が
音もなく切り裂いていく
「動くなよ」
最後の布を
プツリと切り裂き
陽光の下に
白い肌が晒される
「っ…あっ」
我に返った白雪が
躰を隠そうと両手を上げる
「隠すな」
「だって……」
「全部…俺んだろう?」
「でも……」
「どれだけ待ったと思ってる?」
切り札みたいな言葉に
顔を赤らめながらも
抵抗を諦めた白雪は
おずおずと両手を躰の脇に下ろした
畳の上に広がる
波打つ艶やかな髪
滑らかな白い肌は
血管が透けて見える
豊かな胸
華奢な腰
手折れそうな手脚
「綺麗だ…」
食い入る様に見つめられて
堪らずに顔を逸らす白雪
「あんまり……見たら駄目だよ…」
恥ずかしそうな
白雪が本当に可愛くて
にやにやと締まりのない
表情になってしまう
「なんでだ?」
「……意地悪しないで」
困ったような声で囁かれ
可愛くてもっと苛めたくなる
「何が意地悪なんだ?」
「っ…もぅ!」