第4章 隻眼の龍
~追述~
すっかりのぼせた
白雪を夜着でくるみ
褥に横たえる
顔に貼り付いた髪を
そっと払う
濡れて何時もより
少し濃い色に見える髪を
慈しむように拭いてやる
微睡みのなかで
政宗の指を堪能する様に
うっとりとする白雪
幸せそうに眠る白雪を
満足げに眺めると
ぴったりと寄り添い
温もりを分け合う
胸に募る愛しさを
もて余しながら
政宗もまた微睡みの中に
引き込まれる様に落ちていった
翌朝
爽やかに目覚める政宗と
対照的に腰を擦りながら
眉を寄せる白雪
秀吉に小言を言われるのは
百も承知で信長の元へ
意気揚々と馳せ参ずる
その政宗の顔には
一片の憂いもなく
白雪と共に生きる
幸福と希望を胸に
澄みわたる青空の様に
晴れ晴れと輝いていた