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イケメン戦国~捕らわれた心~

第2章 おかえり


眩しい光に
包まれた身体が
ふわりと宙を舞う…


やがて視界がぐにゃりと歪み
重力によって突然引き戻された


「きゃぁぁ~っ!」


ドンッ‼
柔かく温かな
何かの上に落ちた感覚


「いってぇ!」


(なっ なんだっ?)


(…っ!)


本能寺の本堂前
再建一年を祝う式典の最中


頭上に白い靄がかかったと思うと
辺りは眩い光に包まれ…


光の中心から
天女が舞い降りた…


政宗以外の者は
疑いも無くそう思った


透き通る白い肌
柔らかく宙を漂う薄墨色の髪


影を落とす
長い睫毛に縁取られた瞳は
髪と同じく薄墨色で


憂いを秘めたその美しさに
引き込まれる


その場に居た者達が
凍りついたように動けずにいた


閃光に目が眩み
身体に衝撃を覚えたかと思えば


そこに居たのは
夢にまで見たその人だった
身体に受けた以上の衝撃に息が詰まる


「っ…お前 …なぁ…
もっといい現れ方あるだろう…」

(何言ってんだ…俺)


突然の事に頭が回らない
咄嗟に口をついてでたのは
いつもの憎まれ口で…
我ながら情けない


俺の声を聞き
恐る恐る
こちらに顔を向ける白雪


一年前と変わらぬ姿に
愛おしさが溢れだす


「っ…まっ政宗?…なの?」


「他の誰に見える?」


いつものように
笑って見せる


「本物の…政宗?本当に…?」


震える手が頬に触れた…


「お前こそ…本物か?」

(触れたら…消えたりするなよ?)


この一年何度となく
そんな夢に苦しめられた


お互いの肌に触れその温もりに
やっと現実だと受け止める…


耐えきれない
という風に
抱きついて来る白雪


今更ながら細かく震え出した手を
隠くすことも出来ずに


白雪を抱き締め
やっとの思いで掠れた声で告げた


「会いたかった…」


同時に辺りが
歓声に包まれる


《おかえりなさい!白雪様!》
《やっぱり白雪様は天女だった!》
《戻って下さると信じておりました!》


口々に家臣達が叫び
家臣同士で抱き合い
喜びを分かち合う


目の前で起きた神秘に
僧侶達は騒然とし


突然の事に呆気に取られていた
武将達も口元に笑みを浮かべ


抱き合う二人を
穏やかな眼差して見つめていた
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