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イケメン戦国~捕らわれた心~

第12章 織田家の姫君


青葉を出て数えて七日
ようやく安土城下へ
たどり着いた一行

「わぁ!何だか懐かしい…」

「まだ数ヶ月しか
経ってないけどな」

そう言うながらも
懐かしく町を見渡す

一緒に反物を選んだ店
団子を頬張った茶屋

何も変わらず
平穏な光景が
ただ広がっている

賑わう通りに
差し掛かると

(ん…見た顔だな…)

人混の中に
知った顔が見えた

江介によれば
召集を掛けられたのは
政宗達だけではないらしい

どうやら領地の大きさに
関係なく同盟国や諸大名達を
広く集めたらしかった

(信長様はいったい
何のつもりで
白雪を呼んだんだ…)

逸る気持ちを押え
城へ向かい馬を進める


門前に良く見知った
姿を見つけると
身を乗り出した白雪が
弾んだ声で呼び掛ける

「秀吉さ~ん! 三成く~ん!」

「白雪!」

秀吉が大きく手を降り
隣の三成は満面の笑みで迎えた

「白雪よく来たな!変わり無いか?」

「うん ありがとう
秀吉さん達も変わり無い?」

「あぁ こっちは万事
上手くいってるぞ な?三成」

「はい」

にっこりと微笑み
政宗に視線を移す

「政宗様 お疲れ様です
お元気そうでなによりです」

「おぉ わざわざ
出迎えすまないな 三成」

「秀吉 お前 白雪 白雪って
何か言うことあるだろ……」

「妹を心配するのは兄の努めだ」

「はぁ……」

相変わらずの秀吉に
溜め息で挨拶を返す政宗

白雪と三成が
クスクスと二人の
やり取りを眺める

白雪を眩しげに
見つめていた秀吉が
後ろに控えた家臣の中に
喜多の姿を見つけた

「っ…喜多!」

呼ばれた喜多が
こちらを振り向き
頭を下げて会釈する

「喜多も一緒か!久しいな!」

「っ…そうだ!お前なぁ…
勝手な事してくれたな」

眉を寄せる政宗を
気にする素振りもなく
喜多に向い手を降ると

二人は話しながら
並んで歩き出し

白雪と三成は
そんな二人の少し後を
お互いの現状報告を
しながら歩いて来る


真面目な顔をした秀吉が
声を落として話しかける

「勝手な事ってのはなんだ?
どうなってる?
喜多は小十郎と
白石城じゃなかったのか?」

政宗は秀吉を横目でみると
はぁぁと長い溜め息を漏らした

「そんな事だろうと思った…」

「喜多は
お前から白雪の花嫁修行を
頼まれたと言ってきた」

「はっ?」
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