第31章 future of hope
大きな浴槽の中で雅紀に寄りかかりゆったりとお湯に浸かる。
「こんくらいデカイ風呂だといいね、脚が伸ばせるし。家にも欲しいなぁ」
確かに…家の風呂だとふたりで入ると結構きついもんな…でも
「家には無理だろ、こんなの超高級マンションにしかないよ」
「そっかぁ…だったらいっそのこと一戸建ての家買っちゃう?オーダーメイドで建てれば大きい風呂に出来るじゃん」
「ふたりで住むのに一戸建てなんて勿体ないよ」
一生ふたりで生きていくと決めたとはいえ家の購入は流石にねぇ。
「だったらさ、大野さんと翔ちゃんも一緒に住めばいいじゃん」
「は?無理だろそんなの…翔ちゃんは良いって言っても智が絶対反対するよ」
「そうかなぁ…シェアハウスみたいで意外と喜ぶかもよ?」
「い~や、絶対無理だね。翔ちゃんとふたりきりの生活が邪魔されるって絶対文句言うに決まってる」
「俺だって今すぐとは言わないよ、俺たちだって新婚なんだから何年かはふたりきりの生活を楽しみたい…でもさ、10年後とか20年後みんなで暮らせたら楽しそうじゃない?」
ん~、まぁわからなくもないけど。
「雅紀が智を説得できるならいいよ」
「カズさんは反対しないの?」
「反対する理由はないから…俺はテレビがあってゲームが出来る家ならどこでもいい」
「もぉ、カズさんてば10年後もゲームなの?」
「しょうがないだろ?趣味なんだから…何年後だってゲームはやるよ。それが嫌なら今のうちに別れる?」
「ふふっ、そんな理由じゃ別れないよ…こんな可愛い嫁さん二度と見つけられないもん」
雅紀の腕が俺を後ろからぎゅっと抱きしめる。
「うん…俺も離さないけどね」
俺は顔だけ振り向き雅紀の唇にキスをした。