第26章 What is your dream ? #9
「翔くん、大丈夫か?」
智くんが隣にしゃがんで肩を抱いてくれる…でも俺の精神的なダメージは相当なもので。
「智くぅん…」
たぶん今の俺の目には涙が浮かんでいるだろう。
どうしよう…あのふたりに嫌われたら。あんな声出すなんて、もうバカ!
「心配すんな翔くん…翔くんの声超可愛かったから聞かれても大丈夫だよ?」
智くんにそう言って貰えるのは嬉しいけど、今の俺にはなんの慰めにもなってないよ。
「翔ちゃん大丈夫だよ…あのふたりだってイイコトしたんだろうから」
「え?」
イイコトってまさかあのふたりも?
「翔ちゃんたちまではいかないけど、そこそこ楽しんだみたいだよ?朝起きたときの松潤超機嫌良かったし、ニノは気まずそうに俺から視線外したもん」
「お~!やるなぁ松潤…夕べ風呂入ったときは全然そん関係じゃないって言ってたのに」
「翔ちゃんの声に煽られたとか?」
「だったらあのふたりが上手くいったの俺たちのお陰じゃん…感謝して貰いたいくらいだな」
「だね?少なくとも松潤には感謝されるでしょ」
「だな!」
なんて呑気に話してるんだよ…例えそうだとしてもニノのあの態度…どう接したらいいんだ…
洗い物を終え居間に戻ると楽しそうに話してる松潤とニノ。確かに昨日までのふたりとは少し雰囲気が違うかも。
「お疲れさま」
ニノが笑顔で労ってくれた。もう大丈夫なのかな…目も合わせてくれてるし。
「大野さん、練習何時からにするの?」
「ん~、9時半にここ出る」
「え、なんで?」
さっきは8時半って言ったのに。
「だから翔ちゃんの為でしょ?」
智くんの代わりに雅紀が答えた。
「俺、大丈夫だよ?」
俺の為に練習遅らせるなんて駄目だよ。
「大野さんの優しさだろ?素直に受けていいんじゃね?」
松潤が微笑んでくれた。
「でも俺の為にみんなの練習時間削るなんて…」
「わかった、翔さんが気にするなら僕たちだけで先に練習してるからふたりは後から来て」
ニノも微笑んでそう言ってくれた。
「そうしよ?翔くん」
智くんも雅紀も微笑んでくれる。
「うん、わかった…少し休んでから参加させて貰うね」
「「「うん!」」」
3人の返事が重なった。いいシンクロ具合だね。
Continue…