第1章 promise
そして今頃になって気付く…
櫻井を初めて見たあの瞬間から、俺は櫻井に恋してたんだ…
相葉、お前の言ったこと正解だわ…
好きになったら男も女も関係ない。
俺は16年前、桜色した可愛い女の子に一目惚れした…
それから16年たった今、桜の大好きな美しい青年に恋をした。
昔の俺も今の俺も同じ人間を好きになったんだ。
人間の本質なんてそうそう変わらない…
俺は『櫻井翔』という唯一無二の人間に惚れたんだ。
それにしても、子供の頃の俺の方がマセてたな…今回『好き』の気持ちに気付くの遅すぎんだろ。
初めて出会った場所から遠く離れた場所で再会したこの奇跡…
『これって運命?』と思わずにはいられない。
なんてことを俺が考えてるとはつゆ知らず、ピンクのガラス玉を指で摘まみ桜に翳している櫻井。
ほんとに変わらないな…
「櫻井の色だね」
「え?」
驚いて振り向く櫻井。
「そのガラス玉
櫻井によく似合ってるよ」
「あ…ありがとうございます」
ピンクに染まる櫻井の頬はあの時と同じ桜色だった。
「さすがに今回はキスしてくれないかぁ」
小さな声で呟いた。
「なにか言いました?大野さん」
「いや、なんも…」
とりあえず、ライバルは16年前の『さとくん』かぁ…
負けねぇぞ、16年前の俺!
「そろそろ行くか、電車が無くなる」
「はい」
笑顔で答え、俺の元に駆けてくる…
ふたり横に並んで桜吹雪の中をゆっくりと歩き出す。
さぁて、今度はどうやってプロポーズすっかなぁ…
いつか…あの日の約束守って貰うよ?さくちゃん…
End