第7章 終・嘘つきとさよなら
\影の子/
【おぉ…!! 黒髪に黒い瞳の子が生まれおった…!! "影の子"じゃ…!!!!】
【母? 父? 兄上?】
正座をして座る。 母と父と三人の年上の兄達
しかし、彼等の髪は金色。 瞳も金色
【…ごめんね、一希】
母がポツリとこぼすように口を開いた
【う?】
【俺達は髪も瞳も金だから、闇にはなりきれない…】
【影にはなりきれない…】
【闇に、影になれるのはお前だけなんだ】
兄三人が順番ずつに幼い一希の頭を撫でた
【…しかし、お前は"影の子"…。 闇忍族にとって"影の子"は殺人兵器として育てられてしまう…】
父の言葉に母は涙をこぼした
【一希…、母は貴方に殺人兵器などにはなってほしくはないのですっ…】
【お前は生きろ一希】
【俺達の為にも生き延びてくれ…】
【それが俺達…。 北村家の願いだ…】
【父? 母? 兄?】
【何があっても、何が聞こえても出てきてはいけませんよッ…!!?】
涙ぐむ母に額に一つの口付けを落とされ、一希は小さな箱の中へと入れられた