第7章 終・嘘つきとさよなら
『…嫌いか好きかなんて、関係あるのか?』
「嫌イか好キ、相手ニ対しテ簡単に表セる言葉」
『…俺は、"居たい"と思う気持ちだけで十分だと思う』
ルナの真っ直ぐな言葉に謎の人物は黙った
風夜「お前にはないのか? 自分で居たいと望める"場所"が」
「…拒マレたラ?」
風夜「…居場所に拒われるか?」
「奪ワレたラ?」
風夜「…奪われないようにすればいい」
「……フフフ…アハはハハははハハ!!!!」
突然、謎の人物は笑い始めた
風夜「…何がおかしい…?」
「"奪っタ者"にハ"奪わレた者"ノ気持ちハ分カラないノですヨ!!!!」
ピクッと風夜の肩が揺れた
「…僕は結局、一人ナノですネ…」
『何で…』
「僕ハもう"帰れナイ"のデス」
謎の人物の体を先ほどのもう一人が消えた時の水が包む
風夜「まっ待て!!!!」
「マタ会えマス…、ソノ時ガ貴方ノ最後ですヨ、…ーーー…」
謎の人物を包み隠した水は弾け、謎の人物の姿は消えていた
『…あいつは一体何者だったんだろうか…? ……風夜?』
ずっと下を向いたままの風夜にルナは駆け寄った
風夜「…最後の言葉、聞いたか…?」