第6章 *理想の世界と現実の世界* 完結
\姫と契約刀/
真っ赤な炎がゆらゆら
ゆらゆら…
[また、貴方は逃げたの?]
円を描くように部屋の中心だけ燃えてないそこで炎火はただ座っていた
[言葉から逃げ]
[人から逃げ]
[そして自分の言葉の責任からも逃げるの?]
飛炎の声はすぐ目の前から聞こえたり、真横から聞こえたり、真後ろから聞こえたり…
炎火「…分からなくなってしまっただけだ…」
[ほぅ? 分からなくなった? 何に?]
炎火「…俺自身に…」
[弱気? …まぁ、貴方は元々弱虫でしたもんね]
炎火「うるせぇッ…!!!!」
カッとなった炎火は炎目がけて握った拳を振り下ろした、が…
[炎を殴れるわけないだろ? 空気を掴めないのと同じだ…]
炎火「…くそっ…!!」
[一心不乱になり、他を考えられなくなるのは貴方の昔からの悪いとこ…]
炎火「一つの事に夢中になって何が悪い!!?」
[一心不乱と、何か一つに夢中になる事は違うよ]
炎が炎火の額をド突いた。 きっと飛炎の指先らしき何かだろう…
[貴方は僕に何を願ったんだった?]
炎火「忘れたとは言わせねぇぞ…!!?」
[覚えてるよ?]