第6章 *理想の世界と現実の世界* 完結
【炎火君かぁ…】
雫は俺の名を呼んではえへへって嬉しそうに笑った
変な子。 そう思ったけど、一緒に居て悪い気はしなかった
【炎火君はどうして女の子みたいな喋り方を…?】
【私、昔は女の子みたいに育てられてたのよ。 だからこんななの】
【炎火君は可愛いもんね…♪】
【かっ可愛いって言うな!!(怒)】
【あわわっごめんなさい炎火君…!;】
怒る俺に慌てた様子で謝る雫。 可愛いって言われるのは嫌いだ…
ほぼ毎日会っていた俺と雫。 結構と日が経ったある日…
【姫、勝手に城を抜け出してるのは本当かい?】
父に外に出ている事がバレた。 きっと使用人の誰かが告げ口したんだ
【…そうですけど…、何か問題でも?】
話すの面倒。 説教はもっと面倒、俺は父に冷たくした
父は呆れたようにため息をついてイスから立ち上がった
【姫。 ついておいで? 世界がどんなのか教えてあげるよ】
そう言って父は俺を、絶対に入ってはいけないとキツく言われていた城の地下へと連れてかれた
地下は意外と広かった
【【【【ワァアアーー!!!!】】】】
大勢の人の声に俺は驚いて固まった
【大丈夫だよ姫?】