第6章 *理想の世界と現実の世界* 完結
「誰か行かなきゃ、他の人が犠牲になっちまうんだ…。 周りは小さい子や年寄りばっかだ、若い俺が行くしかねぇんだ」
「無理しちゃダメだよ…、あの子みたいになっては…」
『あの子…?』
「前はもう一人居たんだよ。 俺の親友だった奴だ…、前に頭を打って死んじまった」
炎上の民の連中に殺されたんだ、そう言って男は立ち上がった
風夜「…待て」
風夜が男を止めた
「? 何ですか?」
風夜「…な、いいだろう? ルナ?」
風夜はクルッと顔だけをルナに向けて笑った
『…追い払うだけだぞ…?』
風夜「分かってるよ! お前等! 俺達に任せろ!!」
「任せろって…、代わりに殴られに行くつもりか…?」
『まさか、逆だ逆』
ルナの言葉に水底の民達は首を傾げた
『俺達がボコリって追い返す!』
風夜「悪人退治は黒蝶組にお任せ!」
優「地土に怒られないように程々にしなよ?」
風夜「『分かってる!』」
ルナと風夜は指や首を鳴らして外へと向かった
「あっアンタ等!! 危険だって!! 丸腰でそんな…!」
『丸腰? そんなわけないだろ?』
「え…?」