第5章 *一番大きな感情編* 完結
雫「あっ!! 待ちなさいっ!!」
雫は片手にメスを持ちながら炎火を追いかけて行った
『…どういうつもりだ? 皆を追い出してよ…』
地土「…何の事かな?」
『…殴るぞ』
地土「冗談冗談。 ルナの拳はホント痛いから」
地土はあははっと苦笑いをし、ごほんっと咳払いをした
地土「唐突に言うよ。 ルナ、俺は君を知ってる」
地土の言葉にルナはピクッと肩を揺らした
『…何? 昔からの仲なんだから知らないわけないだろ…?』
地土「…ルナは、記憶がないと言ったね? 組に入ってから…」
『…知っているのに、知らないふりをしていたのか…?』
地土「…そうだね」
=ガッ!!=
ルナは勢いよく地土の胸ぐらに掴みかかった
『ふざけるなよ…!! 俺が必死になって"自分"を探していたのに…!! お前はそんな俺を見て笑っていたのか!!?』
地土「…笑っていたつもりはない…」
『じゃあ何故だ!!? 何故俺に話してくれなかったんだ!!?』
地土「…確信が、ないんだ…」
『確信…?』
地土「…痛いから、離してくれる…?」
傷の痛みで顔を少し歪ませる地土