第5章 *一番大きな感情編* 完結
地土はふわふわしている卯の頭にそっと手を乗せた
雪「地土…!! お前は結局何がしたかったと言うんだ…!!? お前が俺達を生かしたんだぞ!!? 地土が生かしてくれた命だから自分の所有物の命だとでも言いたいのかッ…!!?」
雪は泣き顔で自分の胸の中心を指差した
卯「…地土、終わらせよう。 …終わらせてやろう」
地土「そう、だな…」
地土は刀になった卯を掴んでまっすぐ雪を見た
地土「雪…。 生まれ変わっても、また友であろうな…」
雪「…僕はそんな事、望みはしないよ… (あぁ……地土だ。 強い者の瞳をしてる…)」
地土「"月暈の終演"…」
地土は正面で満月を作るように刀の先を動かした
地土「我は楽しかった。 偽りなく、貴様にそれだけは言えるぞ…」
満月を描いた形に光だす
雪「…俺は君が…」
ゆっくりと雪が口を動かすと、それを遮るように満月の形を描いた輪の中から光の光線が発射され、雪の姿は見えなくなり、周囲も見えなくなるほどの眩しさ…
全てが終わってしまったような光の中で、地土は確かに聞こえていた