第5章 *一番大きな感情編* 完結
【…おい、貴様…。 今、例の悪魔は"死んだ"と言わなかったか?】
ずっと黙っていた一人の赤髪の男が俺に問いかけてきた
【はい、言いました】
【…何故、あの悪魔が死んだと言い切れる?】
何故かしつこく聞いてくるこの赤髪の男…。 …でも、何処かで聞いた事がある声だ…
【俺が殺したからだ】
パチッ、と俺の包帯の中から静電気を起こして卯が出てきた。 人の姿をして
【契約獣…!!】
卯に驚いて誰もが後ずさりした。 …卯、何かしたのか?
【悪魔は俺が葬り去った。 こいつはその時の目撃者だから知っている】
獣の指(多分親指?)で俺を指差してくる卯
ってか、自分の主を【こいつ】呼ばわり?
【卯】
俺は卯の肩を掴んだ
【俺の中に戻れ】
どうしてか知らないけど、"皆が怖がっている"
【…分かった】
卯はこくりっと頷いて俺の包帯の中に戻っていった