第5章 *一番大きな感情編* 完結
【他に言われて気づくんじゃどうしようもないだろ? お前が自分で気づくまで、俺は黙っていたんだ】
…ならば俺は…
【気づいたんだろう? もう、自分はどうする事も出来ないって】
俺はもう、何も出来なくなっていたんだ…
【悪魔悪魔と力を振り回し、威張っていた悪魔は力を無くして何も出来なくなり、ただただ泣いていた…。 まるで子供に読んでやる絵本のようだ】
【…我は、もうどうすればいいか分からないッ…】
俺がそう口にした瞬間
=ザクッ…!!=
右目に鋭い何かが食い込む感覚…
【お前は、変わるんだ】
そして、右目……いや、顔の右側を切り裂いた。 卯が獣の手の鋭い爪で…!
【うぁあああぁあああッ…!!!!】
顔の右側全体が焼けるように熱い…!! 顔の右側に触れれば手の平にベットリと真っ赤な血がつく。 手で覆いきれずに隙間から垂れ落ちる真っ赤な血は雨と混じる