第5章 *一番大きな感情編* 完結
俺は気付いたらその場から逃げ出していた
その場に居たくなかったからか、それともその場に居られなかったからか…
どちらがそうだったとしても、俺が逃げ出したのには変わりはしなかった…
=ポツポツ…=
小さな雫が曇った空から落ちてきた。 その雫はそのうち
=ザァアアー…=
雨へと変わった
【我はッ…我は一体どうすればいいッ…!!?】
こんなに血で汚れた手では俺は子になんて触れない
ましてや、こんな俺が父親では子が哀れ
一瞬、雨が止んだ
【…お前は、いつだってそうだな…】