第5章 *一番大きな感情編* 完結
何も、ない…
家が立っていたはずの場所には母さんの遺影と沢山の花束…
綺麗な、花…
【あ、あの…】
一人のおばさんが俺に話しかけてきた。 片手に花束を持って…
【もしかして、地土君かい?】
【我を、知っているの…?】
【あっあたしだよ! 家政婦のおばちゃん!】
自分を指さすおばさん…
【家政婦の…おばさん…?】
【覚えてくれてたのね! 大きくなっちゃって、おばちゃんビックリだよ】
懐かしそうに笑うおばさん…。 そうだ、この人なら母さんに何があったか知ってるはず…
【おばさん!! 母さんに何があったの!!? 母さんはどうして死んだの…!!?】
【あっ…奥様、は…】
おばさんの目は泳いでいる。 一体何があったというのだ…?
【…落ち着いて聞いてちょうだいね…?】
おばさんは静かに話始めた…
【奥様はある研究をしていたのよ…】
【研究…?】
初めて知った。 母さんの仕事の事を…