第5章 *一番大きな感情編* 完結
=ゴンッ!!!!=
後頭部に激痛が走った。 俺を殴ったのは誰かであった
[テメェ、俺を呼んどいて話し聞かねぇとはいい度胸してんじゃねぇか?]
そいつは口に草をくわえている。 よく見ると、そいつの頭には獣のウサギの耳が…
【…お前、誰だ? 我はお前なんか呼んでない!!!!】
お前なんか知らない。 一度も会った事もない奴なんて、普通呼ばないだろう?
【お前は帝国ナイトオールの仲間か!!? ここは何処だ!!? 彩と雪を何処へやった!!?】
こいつよりも今は二人だ。 二人は何処へ? ここは、何処なんだ?
[…まるでお前は、おびえる狼のようだな…]
……は?狼? 普通なら草食動物だろう!!? 鹿とか兎とかそういうの!!
[なんてベタな事を…]
【うるせぇっ!!!!】
…あれ?
【…何で、我が考えている事が分かったんだ…?】
[何でって…。 あれだよ、あれ! 心っつうか…なんつうか…]
兎耳の生えた背の高い男はうーんっと唸る
[…そうそう。 今俺とお前は、お前の"精神の狭間"に居るからだ]
俺を人ではない獣のような手で指差してきた兎耳の男