第5章 *一番大きな感情編* 完結
【うぁああああ!!!!!!!】
己を忘れた。 忘れるように狂い叫び出し、駆け出した
赤い花びらが周りを綺麗に飾る。 花びらが花びらを隠し、そのうち混ざり合って何が何だか分からなくなり始めた
【そこまで君はその二人に執着をしてるのかい…】
冷静な男は俺の方を真っ直ぐと見て、マントで隠れて見えなかった双剣を抜いて構えた
【俺が斬り伏せて、地にうつ伏せにさせてあげるよ。 そして、二度と噛みつかないように厳しい躾をしよう…】
【うぉおおお!!!!】
【我を忘れてただ命を奪うか…。 救いようのない獣め!!】
【黙れぇええええ!!!!!!!】
お前に…っ! お前に俺の何が分かるというんだぁあああ!!!!!!
【"デルフィニウム"…】
冷静な男がポツリと呟いたら、俺の周囲に青い花が咲いた
ぞくりっ、と背中にとてつもない寒気が走った
【デルフィニウムの花言葉は…
"慈悲"、"貴方を慰める"…だ】
=ドックン!!=
=ドサッ…=
俺は力なく、その場に倒れ込んだ…