第5章 *一番大きな感情編* 完結
【地土はどうしてそんなに頭が良いの?】
雪の問いかけで、俺の脳裏には母さんの姿が思い浮かんだ
【…俺の、母さんが頭が良かっただけだ】
そう俺が答えたら、彩と雪は俯いた。 急に何で静かになった?
【どうした?】
【…僕、大人が…親が嫌いだよ。 地土…】
【私も…】
そういえば、二人が施設に来た理由を聞いていなかったな…
…理由なんて、だいたいは一緒だけどね
【僕のお母さん、僕を捨てたんだ…】
"捨てられた"
【私も…。 気づいたら知らない場所に一人だった…】
"置き去りにされた"
【…辛かったね】
優しい声で俺がそう呟いたら、彩と雪の瞳からブワッと涙が溢れた
【うっ…うぇえぇんっ…!!】
【ひっくっ…ちづっ…ちぃっ…!!】
泣き虫なお前等。 俺が居ないと困る、俺もお前等が居ないと困る
お互いがお互いを必要とする。 共に居る事に、それ以上の理由なんて要らない
どうしてこんなに良い子達を殺そうとするのだろうか…
そこで俺はふっと