第5章 *一番大きな感情編* 完結
『痛っ! 噛むな落!! 甘噛みみたいだが牙は痛いんだよ!!;』
落は細いルナの腕に噛みつく。 もちろん、手加減して
『あ"ー…; 痛ぇな、ったく…』
落「フンッ」
『フンッじゃねぇよ腹立つなー…』
勝ち誇ったように鼻を鳴らした落にルナは少し苛立ちを感じた
『…なぁ、落』
落「…?」
『風時を、守ってやってくれないか…?』
落「…ガウッ!」
『…承知してくれたのか? 意外とアッサリだな…』
落「グルル…」
『…少し面倒な事が起きそうなんだ。 肝心なリーダーの地土の様子はおかしいし…
…黒蝶組は組織だ、危険と隣合わせの…。 だから、力なき者を守らなきゃならない、仲間を守らなきゃならない…』
ルナは落の体に触れ、痛くない程度に毛を握った
『風時はまだ子供だ、ちゃんと一人で立てない子供…。 俺や他の皆だってまだ子供だけど、風時は一番若くて心が浅い…
ちょっとつつかれただけできっと、立っていた場所を忘れてしまうかもしれない……だから…』
落「がう!」
『痛ぇ! だから噛むなって…!!』
落「…」
『…そっか』
真っ直ぐな瞳の落を見て、ルナは理解した