第4章 *因果と雨編* 完結
【あっでも…; 僕が美味しいか保証が出来ないや…】
そこで困った顔すんなよ!
…ま、喰うのなんて嘘さ
そもそも契約獣が人間を喰うなんて聞いた事も見た事もねーや
【味つけでもしたら多分美味しいかな?】
【醤油か塩でもぶっかけて喰ってやらぁ】
俺は狼の手を差し伸べた
…何首傾げてんだよ?
【…何か欲しいの?】
【ア"ァ"!!? 契約の仕方も知らねーのかテメェは!!? 左手を合わせてお互いの名前を心の奥底から呼んで契約を交わすんだよ!!!!】
【そっそうなの!!? 知らなかったよ…;】
慌てながら俺の狼の手に手を合わせるこいつ
【…もう一度聞く、テメェの名は?】
【あ、ごめんね! 僕の名前は優… 高野優だよ】
【優…な…】
お互い目を伏せ合って、心の奥底から名前を呼び合い、誓いを立てる
"契約"という名の…
俺はお前に嘘をついて契約を交わした
テメェが死ぬ時は俺だって死ぬ時
主と契約獣は一心胴体なんだ…
本当の事を知った時、お前はどんな顔をする?
俺はぁ困った顔をして欲しいな
\優と幻狼の契約/ 終