第4章 *因果と雨編* 完結
\二つの覚悟/
風夜、優、一希、高野族達が着いた場所は川が近くにある広い場所だった
静かな場所
風夜「…まだ約束の夕方じゃねぇからさすがに居ないか… 早く来ちまったな、優」
風夜は振り返って優を見た、が… 優は川の先を鋭い目で睨みつけていた
優「…どうやら、向こうも待ちきれなかったみたいだよ…」
風夜「向こう…?」
川の向こうにある森のしげみから出てきた男達…
出て来た男達の首には全員、斬った後の古い傷がくっきり残っていた
一希「何あいつ等…? 全員首に傷跡が…」
優「斬首族だよ」
風夜「あいつ等が…!!?」
優「斬首族は頭と杯を交わす代わりに… 首に傷を作って誓いを交わすんだ」
優の話に風夜と一希は驚く
風夜「誓いを交わす為だけに自分を傷つけるっていう事か…!!?」
優「族として杯を交わしたりするのは半端な覚悟じゃ許されないものさ…
斬首族は裏切りを絶対に許さない …裏切れば傷跡から上が跳ぶ事になるのさ」
風夜はゴクリッと唾を呑んだ
「やぁやぁ優君… 見ないうちに随分と大きくなったようだねぇ…?」
森のしげみの奥から出てきたのは、三十路ほどの紫色の髪をした男だった