第10章 繋がる。【R18】
私も寝ようとは思っているのだが、寝れそうにない。こうやってエルヴィンさんと抱き合って、目の前には胸板。頭の上から聞こえてくる規則正しい寝息。身体中に伝わるエルヴィンさんの体温。
副交感神経どころか交感神経が働き始めているのではないのかと思うくらい目が覚醒している。
無理やり寝てやろうと思い目をぎゅっと閉じるが余計目が冴える。
あー…………もういいや、明日まで起きてやる…………今はこの人の体温だけ感じていよう………………
私は寝ることを諦めて爆睡しているエルヴィンさんに体を委ねた。
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人って不思議。寝ようとすればするほど目が冴えるのに寝ることを諦めたらすぐ寝れちゃうんだ。
あの後の記憶がなかった。結局私寝れたのね。
うっすら目を開けるとエルヴィンさんの体温はなかった。
ぼんやりとしながら状況を判断すると。
肘をついて横になりながら私を見るエルヴィンさんと目が合った。
『…………おはよう、』
朝なのか、エルヴィンさんの声が少し掠れていて色気があった。
『おはようございます…………起きてたんですか?』
私自身もまだぼやけていてふにゃふにゃな声で返事をするとエルヴィンさんはクスッと笑う。
『君の可愛い寝顔を見ていたよ』
朝からなんという恥ずかしいことをさらっと………。
『も、もう見せません、』
私はどうにも出来なくなりエルヴィンさんの反対を向く。
『却下する』
エルヴィンさんは私を後ろから抱きしめようとしたのか手を回してくる。………が。
『っひゃ……』
事故なのか、意図的なのか、私の胸を大きな手が包む。