第6章 変人たち
『………っえ?』
『いやぁ、エルヴィンがさ、微笑んでくれることはあるけど、君の本当の笑顔がここに来てから見れてない、と寂しそうに言っていてさ!』
そう、だったんだ…………
確かに、3年前、エルヴィンさんが店に通っていた時は上司と部下ということはもちろん関係なかった。だからエルヴィンさんがしてくれるお話が面白くて笑顔も浮かべていたと思う。
でも、訓練兵となり、調査兵となった今、エルヴィンさんは副分隊長、私は新兵という立場上そういう話もしなくなっていた。
『まぁー、怪我をして辛いとは思うし、無理にとは言わないけど、ちょっと意識してもらえたらいいんじゃないかなーって思ってさ!』
『エルヴィンも疲れているみたいだからな。たまに顔出してやれ。』
2人とも、エルヴィンさんのことが好きなんだな、と思った。なんで、って言われても勘だとしか言えないけど……。
『………ありがとうございます』
『あ、また笑った』
『アン』
扉が開くと、エルヴィンさんが顔を出した。私が慌てて敬礼すると『ここではいらないよ、』と笑ってくる。
『おや、ハンジにミケまでいたのか。話し相手になってくれたのかい?』
『あ!!!エルヴィン!!!!アンめっちゃ可愛い笑顔見せてくれたんだよ!!!!』
『!?そうか……!!』
エルヴィンさんは私に近づくと肩に手を置き目線に合わせてくる。
『俺にも見せてくれないか!?』
と、キラキラした目で言われる。