第5章 苦痛
『あの、このことは………エルヴィン副分隊長には………』
『………あぁ、わかったよ、』
先ほど殴られた部分からは鈍痛が続いており、痛み止めを処方してもらった。………悪化してないといいけど。
『痛くなったらすぐ飲みなさい、今飲むかい?』
『………はい、寝れないと困るので』
『そうだね、もう遅いからこれ飲んだら寝た方がいい。鍵をかけて行った方がいいね?』
『はい、よろしくお願いします………』
お医者さんから痛み止めをもらい、おやすみ、と部屋から出ていった。鍵をかける音がした。
私は水を一口口に流し入れ錠剤の痛み止めを飲み込む。そしてまたそれを水で流し込む。
早く効くといいなぁ…………
しばらく私は同期と絡まない方が良いんじゃないかと思った。
あの子はたしか………私の同期の中でも目立つ子だったはず。だから、エルヴィンさんに対する気持ちは周知の事実だったんじゃないだろうか。
それに、エルヴィンさんが駆けつけた時は誰も私たちを運ぼうとしていなかったと言っていたのも気になる。
それに、現に私のところに誰も見に来てくれない。…………いや、確かに私は孤立気味だったし、ここには仲の良い友だちもいないし……仕方ないだろうと思うけど。
『…………だめだ、』
今は余計な事を考えるのはよそう。
とりあえず今日は疲れた……………