第4章 上司と部下
『アン、俺のそばにいてくれないかい?』
目を見開く。
いま、なんと?
『君の骨折が完治するまで。しっかりとリハビリをして立体機動ができるまでになるまでで構わない。私の補佐として働いてほしいんだ。』
『えっ、あ、あの、』
『ああ、分隊長には相談済みだ。安心してほしい。』
『そ、そうじゃなくて。』
私みたいな新兵が副分隊長の補佐を出来るとは思えません…………
そう言おうとした。
『…………前に比べて君はとても変わった。それに…………言っただろう?俺はアンと話がするのが好きなんだ。この役職柄毎日疲労が溜まってね…………少しでも癒しが欲しいんだ』
こんなこと真っ直ぐな瞳で言われたら何も言えなくなってしまう……………
『もちろん、特別扱いをするつもりは無いよ。上司と部下のように接するつもりだ。だから変に気を使わなくていい。俺にとっても君にとっても有利な話だと思うんだが………どうだい?』
私の答えはもう決まっていた。
『……………はい、よろしくお願い致します。』