第4章 上司と部下
『えと、さっきのって……エルヴィン副分隊長だよね?何話してたの……?』
水を飲み終わったあと、女の子たちが話しかけてきた。
ほら、来た。
エルヴィンさんはとても目を引く容姿で、その役職も高い。だから寄ってくる女の子もおおい。
『あー、えっと…………私の髪の毛にゴミついてるって教えてくれたの。でもこんなボサボサ頭だから自分で取ります、ってだけ。』
こういうことを話したら先ほどの頭を撫でようとした手にも説明がつくだろう。
『え〜!!何それ優しい〜♡』
『今度最初からゴミつけていこうかなぁ〜♡』
誤算。なぜかエルヴィンさんの株をあげてしまった上に彼女の髪の毛にゴミがついている日が来てしまう。
ごめんね………………
午後からは立体機動。私が一番得意としていたものである。年齢の割には小柄なため、小回りがよくきくらしい。
やはり、立体機動をしているときに受ける風が気持ち良い。
巨人に見立てた模型をブレードで削いでいく。
自分でも上出来な感じだった。
スピードに乗って次の標的に向かっていく。
その時。
『危ない!!!!』
横からくわわる衝撃。
天か地かわからない状態となり
体が地に打ち付けられた。
少し嫌な音がした気がしたが、私はその痛さで意識を失った。