第4章 上司と部下
エルヴィンさ……………いや、彼は副分隊長という役職についているという。
慌てて私が敬礼をすると
『君に敬意を。』
と敬礼を返してくる。
新兵と副分隊長。
私と彼の間には
とてつもない差ができていた。
『…………やはり君はここに来たんだね、』
ポツリと副分隊長は言葉を漏らす。
『君を調査兵団から遠さげようと恐ろしい話もたくさんしたと言うのに………』
『ごめ…………いや、申し訳ございません。』
『私自身………憲兵団にはしたくありませんでしたので。それに…………』
副分隊長が私の方を見る。おそらく二十の意味だ。憲兵団に行きたくない理由、それでは何故駐屯兵団に入らなかったか…………
『狭い檻の中にいるより、壁の外へ行って自由を手に入れたかっただけなんです。』
『………………そうか、それは確か最初にあった時に話したことだったな………』
どこか切ない表情になった副分隊長はまたいつもの顔に戻る。
『…………さぁ、早く戻りなさい』
本当はもう少し話していたかった。
だけど………………
『失礼致します』
その場を去った。