第3章 再会
そろそろ部屋に戻ろうかな、と立ち上がる。すっかり頭痛は良くなっていた。………まだ話していないといいけど。
ドアの方へ歩き出すと、キィ、と音を立てて誰かが入ってきた。暗くてよく顔が見えない。
『新兵か…?』
『はっ!そうであります!』
上官か、先輩か、よくわからなかったが、私は敬礼をする。
『寝なければ明日に響く。おそらく明日から訓練が始まるからな………』
『了解です!!失礼します!!!』
敬礼をといて、声のする方へ近づき過ぎ去ろうとした。
懐かしい香水の香り。
振り返るとあっちも私の方を見ていた。
『アン…………なのか?』
まぎれもなく、
エルヴィンさんだった。
『エルヴィン、さん……………』
よかった、生きていた、
やっと、
やっと会えた。
私の目からはまた、涙が溢れた。