第18章 壁外調査
その後になると、隊の配置場所の相談・決定や日々の訓練、作戦会議など慌ただしい日々を過ごし、幹部の方々はじめリヴァイ達とお話する時間があまりなかった。
『ふぅ.......きつい……』
なにせ怪我で医務室に寝たきりだったわたし。リハビリは軽くしていたものの、実践となると体力不足が目に見えている。
年数ばかり長いのに、これじゃ新兵よりも動けてないんじゃ?ってくらい。
情けない話だ。
休憩時間となり私はその場に座り込む。水分を摂り、休んでいると……
『よう。』
『っ、びっくりした………』
『あ、わるい………つい前までのくせで……』
『ううん、トーマスだから大丈夫。』
『そ、そうか……』
あの一件以来、私は知らない男性に対するトラウマが植え付けられ、知らない隊士から話しかけられると恐怖により身体が強ばってしまうようになった。
医務室からでることにより、他の隊士と絡む機会は増えてしまったが、それを理由には出来ないと考えなんとか頑張っている。
『壁外調査かー。何回目かもう忘れたけど何回やっても慣れねぇな』
『そうだよね、同期も私たちだけだし。何度行ってもしんどいよね。』
『今度はおれが死ぬかもな』
『やめてよ、縁起でもない』
『はは、冗談だって』
そう言うとトーマスは立ち上がり、お互い生きて帰ろうな、と笑顔を浮かべ私の元を去っていった。