第18章 壁外調査
『............なんて暗い顔してやがる』
『っわ!』
角を通り過ぎようとしたところでリヴァイと遭遇する。訓練後なのだろうか、汗の香りが鼻をくすぐる。
『チッ.........あいつとなんかあったのか』
この人は本当に勘が良い。少しくらい鈍感の方が助かるのに.........
『べ、別に.........関係ないでしょ......』
『ああ、関係ない。』
『じゃ、じゃあ......ほっといてよ......』
『......』
リヴァイの横を通り過ぎようとすると、腕を掴まれる。
『っ、な、なに......?』
『あいつのこと......まだ忘れられないのか』
何もかもを透かすような彼の目が私の目を見て、そういう。
『そ、そんなこと......っ』
『お前がいつも悲しんだり暗い顔している時は......あいつが関わってる。それが.........クソ、なんか癪に障る。』
『っ、』
いつになく真剣なリヴァイに私は目を奪われる。
ああ......見ていてくれたんだな。
あの思い出したくない日もリヴァイが助けてくれた。
思えばその後もなんやかんやそばにいてくれた。
わたしを、彼なりに守っていてくれた。