第12章 芥川龍之介/ Trick or …
似合い過ぎてドキドキが止まらないというか
どんどん大きくなるというか…
落ち着け私!!!
えっと…この本を…っ!!??
椅子に乗って上段の本を取ろうとしたところ
体制を崩してしまう
そうだった! この本重いんだった…っ!!
グラッと来て、倒れる!!
と思ったら…
「大丈夫か?」
芥川さんが後ろから支えてくれた…
ドキッとして身体が跳ねる。
芥川さんがち…近い…///
「ん? どうした?」
「いっ、いえ!! すみませんありがとうございます!!💦」
「手に取ろうとしたのはこの本か?」
「あ、そ、そうです!!」
「…他に、高所で必要な本はあるか?」
「いえ!それだけあれば大丈夫です!!」
「そうか」
こんなに近くで囁かれてもう絶対耳まで真っ赤だった///
椅子から降りるところまで手を差し伸べてくれて。
さっきの本を机に置いてくれる。
ほら、やっぱり優しい…///
私は、そんな芥川さんに密かな恋心を抱いているのです。
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気のせい、だろうか。
いつも冷静な彼女が動揺していたような…
僕の自惚れかもしれぬが…
あんなに愛い顔をされては、困る。
困るのだが…悪くない。
自分の浅ましい独占欲が沸き上がる。
今日ははろうぃんだ。
魔法の言葉を云えば悪戯が許される日。
「月尾」
「はい?」
「とりっくおあとりーと」
「え? あ、ハロウィンですね♪ あ、どうしようお菓子無いんでした…買って来ますね!!」
「いや、無くていい」
「え?」
「お菓子が無ければ悪戯をしても良いんだったな」
「え…あ、はい…そういう謳い文句で…ん? 悪戯…??」
「今度はどの本を探している?」
「えっ、あ、ここにある本を……っ!!??///」
本を探すため背を向けた彼女を抱き締める。
先程も感じたが、髪も身体も、驚く程に柔らかい。
「あっああああの!!?? 芥川さん…っ!!??」
「菓子を持たぬ貴様に悪戯だ」
「えっそ、そんな…あんっ!?///」
首筋に口付けたところ、可愛い声が発せられた。
もっと…聞きたい…
「あっ、芥川さ…ん…ひゃっ…///」
服の上から胸の膨らみに触れる。
「どうした? 本を探すのでは無かったか?」
「…っ///」