第10章 新旧双黒+織田作/楽しい文化祭
「なっ…!? 何でてめぇがここにいるんだよ!!??」
「煩いなぁ。気安く聖子の手を触らないでよね」
「あ”ぁ”!? つーか本名で呼んでんじゃねぇよ!!」
「えーと? この後一騎討ちするんだったよね? いい機会じゃないか。完膚なきまでに叩きのめしてあげるよ」
「ほぉ…言うじゃねーの太宰。こうなりゃ劇だろーがなんだろーが関係ねぇ、本気で行くぜ!!」
あぁぁぁぁぁ
中原くんまで本名で呼んじゃってるし!
台本がめちゃくちゃなんだけど凄く盛り上がってる!!
あぁ、でもどうしよう、物語が先に進まないよー(´;ω;`)
「えっと…二人とも…」
「はっ、やるじゃねぇか太宰!!」
「あの…二人とも…」
「ふふ、中也こそやるじゃない、ちびっ子のクセにさ」
「うるせぇ死ね包帯の付属品が!!」
「煩いよ帽子の付属品!! 大体ね、例え劇であっても、中也如きが聖子と結婚だなんて虫唾が走るのだよ!!」
「はぁ!?」
「聖子は誰にも渡さない…!! 例えどんな手を使ってもね」
「なっ!!?」
黒い何かが中原くんの足を絡め取り、体制を崩した中原くんを太宰くんが容赦なく討ち取った。
「なっ中原くん!?」
「こ…これは何事じゃ!!」
何故かお父様(王様)が現れた。
「あっ、お父様…、これは…その…」
ふえぇぇん、台本めちゃくちゃだしなんて言えばいいか分かんないよ(´;ω;`)
「王様。此度の婚礼、暫しお待ち頂きたいのです」
「なんじゃと?」
「政略結婚などで、本当に国政が良くなるとお考えですか? 大切な一人娘を犠牲にして成り立つ平和に何の意味が御座いましょう!?」
「むむむ…っ」
凄い…。話が進んでる!?
「しかし、他に方法が…」
「ご安心ください。手は打って御座います」
「なんと…!!」
「ですから王様…、姫を私にください。私は姫を…聖子を心より愛しているのです」
真剣な眼差しでそう述べた後、私の方に向き直り、跪く。
「聖子、私と結婚してくれますか?」
太宰くんが、私の名前でそんな風に言うもんだから
嬉しくて、何がなんやら…
「…はい、宜しくお願い致します!!」
こうして、姫と幼馴染の青年はぎゅっと抱き締め合って
口付けを交わしたのでした