• テキストサイズ

文スト夢倉庫

第4章 中原中也/葡萄酒よりも甘いカクテルをキミに



聖子が帰り支度に行ってからかれこれ1時間が過ぎた。

「アイツ…またアレに着替えてやがるな…。何でこう毎度毎度…」
「ふ…」
「マスター? 何でか知ってんのか?」
「えぇ、まぁ。彼女はいつも中原君の事を想っているのです」
「それが…どうして…」
「お待たせ中也」
「………。」


それがどうしてこうなった。
降りてきたのは綺麗な顔をした男…に見える彼女の姿。
いわゆる男装ってやつだ。
しかも無駄にクオリティが高ぇ。
認めたくはねぇが、無駄にイケメンだ。無駄に。
認めたくねぇけど。


「一体何の話してたんだ?」
「中原君が何故男装するのか気になっているようだ」
「へぇ。そうだな…帰ったら教えるよ。さ、帰ろうぜ中也」


顔だけじゃなく、声も、話し方も男みてぇになる。
もはやこれは異能なんじゃねぇか?って疑いたくなるレベルだ。


支払いを済ませ、マスターに見送られながら店を出る。
夜風が心地好い。


「中也、今日は車?」
「いや、飲むつもりだったからな」
「じゃあ車回すからちょっと待ってて」
「あぁ、悪ぃな」


走っていくアイツを待っている時
誰かに見られている気配を感じた。
殺意は無さそうだが…気に入らねぇな。

ちょっくらシメてやろうかと思ったが
聖子の車が思ったより早く来てしまったので
放っておいて帰る事にした。



「中也、何かあった?」
「あ?」
「マフィアの顔になってる(笑)」
「そりゃマフィアだからな(笑)」
「あ、戻った。仕事熱心なところも中也のいいところだけどさ、二人でいる時は今の表情がいいな」


…なんて
くそ可愛い事言いやがる。
マジで家戻ったら覚悟しとけよな///



時間も時間だった為、スムーズに車は進み
思ったより早く俺の家に着いた。

/ 102ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp