第3章 大人の時間 ※
side.煌
がむしゃらに、本能のままにカラ松を求めて抱いていた
互いに何度イったか分からない
身体は汗と体液でドロドロだ
ふと気が付くと、握られていたはずのカラ松の手から力が抜けていた
「!カラ松、大丈夫か」
カ「ん、ぅ」
小さく唸るものの、目覚める気配はない
ヤバい、がっつきすぎた
取り敢えず身体綺麗にしてやらないと
湯を張りに行こうとベッドを降り・・・ようとして目に入ったのは至る所に散乱したゴムとティッシュ
「どんだけヤってんだよ、俺」
そりゃカラ松も意識なくすわ
そんなカラ松を一人措いていくのは気が引けたが、一先ず風呂の準備に向かう
自分の身体を簡単に洗い、浴槽にお湯を溜め始める
湯を張る間にカラ松の身体を軽く拭う
そこかしこに散りばめられた赤い印
自分が付けたはずなのに、ものすごく扇情的に見えた
・・・つか、俺こんなに付けたっけか
無我夢中だったから覚えてない
カラ松を横抱きにして風呂場へと向かう
「重っ」
鍛えられてる上、意識がない男の体
重くないはずがない
どうにか動かない彼の身体を洗い、溜まった湯に浸かる
カラ松を後ろから抱くように入り、肩口に頭を凭れさせた
人の為にこんなに動いたのは初めてだ
カラ松相手なら面倒だと思うこともない
・・・ま、俺のせいでもあるからな
カ「ん・・あれ」
相変わらずカラ松といると初めてのことばかりだ、と物思いに耽っていると声がした
「目ぇ覚めたか?」
カ「わ、俺、ごめ」
バシャッと音をさせ、勢いよく上半身を起こすカラ松
そんな彼をグイッと引き寄せ、元の体勢に戻る
「無茶させたから、身体休めて温めろ」
俺のせいだし偉そうに言える立場じゃないけど
カ「初めてだな、こうして一緒に風呂に入るの」
「あー、前んとこはシャワーだけだったな」
カ「こういう初めてがこれから増えるんだな・・・嬉しい」
俺に凭れて顔を赤くしてそんなことを言って
喜ばせるのがうまいよな
「そうだな、カラ松じゃなきゃダメだから」
カ「俺も煌じゃなきゃ嫌だ」
フニャっと笑うカラ松に顔を近付ける
カ「ん、煌、好きだぞ」
「俺も・・・愛してる」
カ「ズルい・・俺も愛してる」
キスをして愛を確かめ合い、もう一度キスをする
新しいスタートの一歩目は、幸せに満ちていた