第1章 プロローグ
「ああ、それは助かります。私はあまり一人でこういう場所に来たことがないもので」
ずいぶん礼儀正しい子だなぁと思った。10歳くらいかな?とおもったけど、もう少し上なのかしら。
あと、ひとつ、どうしても気になることがあった。
「その・・・後ろにある黒い怖い顔したものは、着ぐるみ?それともおもちゃ?」
という私の言葉を聞いた一瞬、彼の表情が変わった気がした。
「あなたは…これが見えるんですか?」
「え?みえ、ます…けど。すっごく浮いてますケド」
誰か一人くらい写メ撮ってもおかしくないような、浮きよう。
『え!?なんで俺が視えるんだ?』
どうやら着ぐるみのようだ。しゃべった。
「リューク、ノートに触らなくて見えるってことはあるんですか?」
『いや、ない…と思うんだけど、見えてるんだもんなぁ。へんな奴』
なにがなんだかわかりませんが、その『ノート』にさわらないとどうやらほかの人にはリュークは見えないらしい。
「…もしかして、ちまたでうわさになっている、あの『デスノート』ですか?」
と、私がジョークで聞いたら、少年は一瞬黙った。
「…そうですね。あなたに協力をおねがいするかもしれませんし…
このノートがかの有名な『デスノート』です」
そう言って、少年は懐から真っ黒いノートを見せてきた。
都市伝説じゃ、ないの…?
こうして死神を見ることのできる私は、もう一冊存在するというノートを探すために、捜査協力をすることになりました。