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Sweet Life 〜僕らの甘い時間〜【気象系BL】

第21章 なまリク♡vol.4 うさこさまリクエスト


別れ道に差し掛かる度、サトくんは”アッチ””コッチ”と道を指示していく。

「翔くーん! 潤くーん!」

代わる代わる声を張り上げて二人の名前を呼んだ。

「ねぇ、パパさん…。ショウくんの声する…」

サトくんが足を止め、一際大きな木を指差した。

そこはとても子供の足では行ける場所ではなくて…

「分かった。俺が見てくるから、お前ぇらはここで待ってろ」

松岡先輩に任せて、俺達はその場で成り行きを見守った。

「絶対いる…」

サトくんがポツリ呟く。

「うん。サトくんが言うならきっと…」

その時だった、

「おーい! 二人見つかったぞ! 今降りてくから」

松岡先輩の声が響いた。

「良かった…。見つかったって…」

「うん…良かった…」

安心したのか、サトくんの小さな体がフワリと揺れた。
その顔は涙で濡れていて…

俺はサトくんを背中におぶると、泣きじゃくる二人を抱えた松岡先輩と一緒に山を降りた。

「ご心配おかけしました」

松岡先輩が頭を下げると、血相を変えて駆け寄って来たママさん達を、松岡先輩が制した。

「俺、言ったよな? 山には入るな、って。良く分かっただろ?」

シジ『ごめんなさい』

二人が頭をペコリと下げる。

「分かれば宜しい! ってことで、二人には罰ゲームな?」

シジ『えぇ~っ…』

項垂れる二人に言い渡されたのは、後片付けの手伝いと、ショウくんには、サトくんの介抱。

「ジュンくん、僕も手伝って上げる」

「ありがと和…」

テキパキと片付けをしていく二人の傍らでは、

「ごめんね、サトくん」

「もう心配かけちゃめーよ? 分かった?」

どうやらいつもと立場が逆転しているようだ。

「色々ありがとうございました。俺一人だったらどうなってたか…」

「気にすんな。それにアイツらには、いい経験になったんじゃねぇか?」

確かにね…
この経験を教訓にしてくれるといいんだけど…


キャンプやBBQが楽しくなる季節…
皆さんも山や川の事故には気を付けましょうね。

By 雅紀パパ


おわり♡
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