Sweet Life 〜僕らの甘い時間〜【気象系BL】
第16章 ゴールデンウィンクって楽しいの?
「何です、コレ?」
封筒を開け、中身を取り出すと、和が大好きな黄色いキャラクターが大活躍する映画のチケットが二枚。
「いんですか、貰っちゃって…」
「おお、構わねぇよ? ま、お前のガキンチョは俺のガキンチョでもあっからな」
えっ、それってどういう意味…‥σ(๑• . •๑)?
聞き返そうと思ったけど、顔を上げたその時にはもう先輩はオフィスの中で…。
俺はチケットを手に、松岡先輩の背中に向かって頭を深々と下げた。
理由はどうあれ、こうして気にかけてくれることが嬉しい。
俺はチケットを封筒に戻し、リュックの一番底にしまうと、急いでビルを飛び出した。
早く帰って和を喜ばせてやりたい、その一心で自転車を漕ぎ、自宅へと向かう。
途中スーパーに買い物に寄ったが、それでも家に着いたのはいつもよりも数十分早くて…
「ただいま」
きちんと施錠されている玄関を鍵で開け言うけど、いつもならすぐに返ってくるはずの答えが…帰ってこない。
靴はちゃんと玄関脇に揃えて置いてあるし…出かけてる、ってことはない筈。
「和? いないのか?」
和の部屋のドアをノックするけど、やっぱり返事はなくて…
首を傾げながらリビングに入ると、最初に視界に飛び込んできたのは、和よりも少しだけ小さい、茶色い塊だった。