Sweet Life 〜僕らの甘い時間〜【気象系BL】
第10章 君と一緒に見る月は、とても綺麗です
「ねぇ、ちょっとだけ遠回りして帰らない?」
「いいけど、寒いでしょ?」
「少し、ね…?」
僕がそう言うと、目の前で相葉ちゃんが着ていたトレーナを脱いで、僕の頭にスポンと被せた。
あ、相葉ちゃんの匂いがする…
「風邪引くといけないから、コレ着といて?」
「相葉ちゃんは…?」
「俺は大丈夫。暑がりだしさ」
そう言って相葉ちゃんは笑った。
噓ばっかり…
相葉ちゃんだってホントは寒いくせに…
僕は相葉ちゃんの手をそっと握った。
「どうしたの?」
「ふふ、こうしてれば少しは暖かいでしょ?」
「ホントだ。暖かいね」
「あ、ねぇ見て? 今日は満月だよ」
僕が見上げると、相葉ちゃんが僕の隣で同じように夜空を見上げた。
「ホントだ。綺麗だね」
「うん、綺麗」
きっと二人で見てるから、だよね…
「あ、満月ってことはさ、俺、今夜は狼に変身するかもよ?」
突然耳元で言われて、僕の顔がまるで火が付いたように熱くなる。
「も、もぉ、バカ…。知らない…」
でもそんな一言が嬉しくて…
僕は相葉ちゃんのほっぺにチュッとキスをすると、手を引いて歩き始めた。
「早く帰ろ?」
月が雲に隠れてしまわないうちに…
おわり♡