Sweet Life 〜僕らの甘い時間〜【気象系BL】
第10章 君と一緒に見る月は、とても綺麗です
「夜はやっぱりまだ冷えるね」
上着を一枚持って出るんだった…
少しだけ後悔する僕の肩が、暖かい腕にフワッと包まれる。
「相葉ちゃん…?」
「こうしてたら寒くないでしょ?」
驚いて見上げた僕に、相葉ちゃんが笑いかける。
「うん、暖かい…」
…けど、この状態超恥かしい…
「あ、あのさ、人に見られたら…」
なんてことは、きっと相葉ちゃんは気にもしてないんだろうな…
その証拠に、僕の背中から回した相葉ちゃんの腕は、ギュウギュウと僕を締め付けてきて…
「苦しいよ…」
僕が言うまで緩むことはなくて…
「もう少しだけこうしててもいい?」
なんて聞いてくる。
僕はそれに”NO”と言える筈もなくて、相葉ちゃんの腕の中で小さく頷いた。
暫くの間そうしていて…
「そろそろ帰ろうか?」
そう言って僕の肩を抱いていた手がゆっくり解かれた。
僕の背中が急に寒くなる。
さっきまであんなに恥ずかしかったのに、今はもうあの温もりが恋しくて仕方ない。