Sweet Life 〜僕らの甘い時間〜【気象系BL】
第83章 君が還る場所
本音を言えばさ、叶えて上げたいよ?
だって考えても見てよ、俺、誰よりも貴方のこと尊敬してるし、愛してだっているんだからさ、そりゃ貴方が望むのであれば、呼んであげたいよ、昔のように”智くん“て…
でも、もし今その呼び方で貴方を呼んでしまったら、俺、きっと貴方を引き留めたくなる。
そんなことをしたら、せっかく貴方が命がけでした決断が、全て水の泡になってしまう。
貴方だけじゃない、俺も、それから他の三人だって…
だから今は、どれだけ俺の心が貴方を求めようと、俺の心が貴方の名を叫びたがったとしても、それだけはなんとしても止めなくては…
貴方がしたように、俺も命がけで…
俺はキュッと唇を噛むと、智くんの肩に触れる寸前で手を引っ込めた。
「行っておいで?」
「いいの? 暫く会えなくなっちゃうけど、本当にいいの? 寂しくない?」
寂しいさ…
貴方と離れている時間を考えると、胸が締め付けられるくらい、寂しいさ…
でも貴方が決めたことだから…
それに俺も決めたんだ、
「待ってるから…」
貴方が俺の元に帰ってくるまで、いつまででも待ってるから…
「何年かかるか分かんないよ?」
「うん、それでも待ってる。だから行って?」
俺の気が変わらないうちに…