Sweet Life 〜僕らの甘い時間〜【気象系BL】
第79章 風の日はいつ?
「ババババババ〜!」
遊びから帰って来たかと思うと、叫び声(?)と共に響く足音。
やれやれ…、せっかく一人の時間を楽しんでたのに…
一気に騒がしくなったリビング。
俺はきっと汗だくになっているだろう和のために、汗を拭くためのタオルと、冷たい麦茶を用意した。
「ねぇねぇ、ババ知ってる?」
「何を?」
つか、この暑さだから当然だけど、凄い汗だ。
「あのね、あのねっ!」
「分かったから、とりあえずお茶飲んで?」
俺に汗を拭かれながら、コップ一杯に満たした麦茶を、喉を鳴らして飲み干す和。
プハーッと息を吐き出すと、漸く落ち着いたのか、リビングのソファーにドカッと腰を下ろした。
エアコンの風が一番当たる場所…、俺の特等席だ。
「で、何を知ってるかって?」
「んとね、今日ってね“お山の日”ってゆーんだって。パパ知ってた?」
「まあ…な…?」
確か、“山に親しむ機会を得て、山の恩恵に感謝する“ことを目的として定められた、って聞いたことがあるけど…
「それがどうかしたのか?」
なーんか、嫌な予感しかしないのは、多分俺の気のせいなんかじゃない。
和が俺に“知ってるか”って言った時は、大抵が答えに困るような内容の質問ばかりなんだから…